今日は蛇足の旅行記。
前回の「仙巌園」の記事を書いていて、JR九州「ななつ星in九州」で訪れた際のことをいろいろ思い出していました。
今回のツアーでは、「仙巌園」を管理する島津興業の方に案内をしていただきましたが、御殿の「謁見の間」の解説では、「ななつ星」がここで食事をしたという話もされていました。
ツアーに同行していらっしゃった“専門家”の方も、とてもスゴイことだとおっしゃっていましたので、今日はその時のことを記事にしようと思います。
「四季島」や「瑞風」に先んじて運行されたJR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」ですが、今年で運行10周年を迎えます。
その間何度もルート変更をしていますし、昨年は(インバウンドを意識してか)本格的な茶室を設けたり、客室を14室から10室に変更するなど、時代に合わせて変化していっているようです。
当時の乗車記については、「四季島」との比較という形で記事にしていますので、今日は「仙巌園」の「謁見の間」でいただいた食事の様子をお伝えしたいと思います。
ここ最近はずっと、「仙巌園」がルートから外れているようですので、ますます“貴重な体験”をさせてもらったということになりそうです。
「仙巌園」としても特別な企画だったようで、料理以外の写真は控えてほしい旨を言われていました。
前回ご紹介した「謁見の間」で、
部屋の寸法に合わせて「ななつ星」のために作られた特別なお膳で、薩摩伝統料理の数々をいただきました。
まずは、美しい薩摩切子に盛り付けられた前菜から。
薩摩切子は、島津斉彬によって、海外との貿易品や大名への贈り物として開発されたそうです。
よく江戸切子との違いが論じられますが、江戸切子は町民文化の中で育まれたこともあり、スッキリとしているのが魅力とされています。
一方の薩摩切子は殿様文化で生まれたものですから、“ぼかし”や、複数の模様を組み合わせるなど、重厚感があると言われています。
薩摩切子といえば、色被せが特徴とされますが、
こちらのお料理は、無色透明の器が使われていました。
庭園内の蔵で貯蔵している焼酎があるとかで、特別に出していただきました。
鹿児島の特産品である黒豚と薩摩大根の煮物。
鹿児島の柑橘系が使われたジェラート。
これまた鹿児島名物のさつま揚げ。
薩摩郷土料理の酒寿司。
酒寿司は、殿様の宴会で残った料理とお酒から偶然に生まれたのだそう。
そしてデザート。
以上、昔の旅行記ではありますが、(この時も島津興業の方の楽しいお話を伺いながら)謁見の間で食事をするという貴重な体験をさせていただきました。
「ななつ星」も、時代に合わせて次々と変化していっているようですし、観光列車の数も増えました。
まだクルーズトレインが珍しく、訪れる先々で特別待遇の大歓迎を受けていた頃のお話デシタァ。
ちなみに今回のツアーでは、園内にある「桜花亭」というレストランで、
郷土料理のランチをいただきました。
ツアー予定表に、“薩摩切子の器を使った・・・”と書かれていたので、ちょっと肩透かしのように感じていらっしゃる方もいらっしゃいましたが、
窓からの絶景に感嘆しながら、お料理を楽しみました。