ここ最近「鵜戸神宮」は、“映えスポット”や“パワースポット”としての人気が高いようです。
青い空と海を背景にした朱色の拝殿を上から見渡せるとあって、まさに“映えスポット”。
それに加えて、奇岩に囲まれた断崖の
洞窟の中に御本殿があるのですから、“パワースポット”と言われるのも頷けます。
ただし今回は、山幸彦と豊玉姫を中心とした神社を巡るツアーです。
ですので、「鵜戸神宮」は、豊玉姫が出産をした場所ということに着目します。
天孫の子である山幸彦が、兄の海幸彦の釣り針を探しに海神の宮に行き、そこで知り合ったのが海神の娘である豊玉姫です。
豊玉姫は出産する時、“天孫の御子を海原で産むわけにはいかない”と言って、この洞窟にやってきました。
で、山幸彦に向かって、出産する時は本来の姿(サメともワニとも言われる)に戻るので、“絶対に見てはいけない”と言います。
でも、『鶴の恩返し』よろしく、やっぱり見ちゃうのですよね。
なもので、自分の姿を見られた豊玉姫は、息子のために洞窟に乳房を残して去っていくのです。
いわゆる「見るなのタブー」で、これは日本神話だけでなく、ギリシア神話をはじめ、世界各国の神話や伝説に出てきますが(メルシナ型神話)、そういう視点で神話を掘り下げていくと、さらに面白くなりそうですよね。
この時誕生したのが、初代神武天皇の父君になられる「日子波瀲武鸕鷀草葺不合尊(ヒコナギサタケウガヤフキアエズノミコト)で・・・ふ〜、またまた長いお名前・・
その後豊玉姫は、妹の玉依姫に息子の養育を託し、やがて二人は結ばれて、初代神武天皇がご誕生になるということです。
山幸彦の父親は天孫の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)ですが、母親は、山神の娘の木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)です。
天・地・海のすべてを司る天皇が誕生した・・・なんて解説する書もあって、神話って本当に面白いです。
古事記や日本書紀が書かれた時代に、どのような思想が影響しているのか・・・なんていうことを妄想するのも楽しいですよね。
豊玉姫が息子のために自分の乳房を置いていったとされる「お乳岩」。
乳房のような岩から、お乳のように水が滴っています。
『ブラタモリ』によると、ただの水ではなく、コンクリーションによる石灰分を含んだ水なのだとか。
まぁ『ブラタモリ』に関しては、毎回「ほぉ、ほぉ」言いながら見ているだけで、地質学的なことはほとんど分かりませんが、
神社にしてもお城にしても、視点を変えると色々なことが見えてきて、興味が尽きません。
それにしても、“映えスポット”にふさわしく
見た目にも、
非常に美しい景観の
「鵜戸神宮」でした。
御朱印を頂戴しました。