オババのトラベルジャーナル

社会生活からリタイアした有閑オババの隠居旅。ちょっと素敵なお宿に泊まって、のんびりお城や神社を巡ります。

合掌造りの「越中五箇山」を散策

富山県への訪問はまったくの初めて。(これで未訪問は群馬県だけになりました)

 

ということもあって、普段はあまり観光をしないオババですが、今回は、人生最初で最後かもしれない富山の観光地に出かけました。

 

まずは、以前より興味があった「五箇山」です。

 

現在、ユネスコ世界遺産には、日本から20ヶ所の文化遺産と5カ所の自然遺産が登録されているようですが、

日本で6番目の世界遺産として、1995年に登録されたのが「白川郷・五箇山の合掌造り集落」です。

 

飛騨高山の白川郷と、越中富山の五箇山は、共に庄川の流域にありますが、白川郷の方が規模が大きく、観光地化されていますので、知名度が高いですよね。

相方さんに「五箇山に行く」と言っても、「何処それ?」と言われ、「白川郷のような合掌造りの集落」と言ったら理解してもらえました。

 

白川郷五箇山の違いは、集落の規模だけでなく、

同じ合掌造りでも、屋根の勾配が違うってご存知でしたか?

白川郷の合掌造りが、60度の正三角形に近いのに対して、五箇山はもっと角度が小さい二等辺三角形なのです。

雪質の違いによる屋根の傾斜の違いなのだそうです。

 

まず最初に訪れたのが、五箇山最大の集落の「相倉」です。

最大と言っても、白川郷の荻町集落が60棟に対して、こちらは20棟のこじんまりとした集落です。

 

景観を維持するために、消火栓の色も家屋に溶け込んでいますね。

確かこちらのお宅は民宿だったと思います。

パンフレットによると、6棟の民宿があるようです。

景観維持のため、住民の車は、入口近くの洞穴のような駐車場に停めることになっているそうです。

 

民俗館に行ってみました。

 

雪深い陸の孤島で、自給自足の生活をする際に必要だった民具の展示や、釘やかすがいを一切使うことなく建てられた建築工法の解説があります。

 

賑やかな白川郷とは違って、観光客にもほとんど会うことなく、今なお日本の原風景を感じることができる集落です。

 

「菅沼」集落にも行ってみました。

 

庄川河岸段丘に、9棟の合掌造りが残っています。

 

この建物は「塩硝の館」。

五箇山は、地理的に閉ざされた土地柄からも、加賀藩の塩硝(爆薬の原料)づくりが盛んだったそうです。

囲炉裏の側に穴を掘って、大量に出る蚕のフンを利用して作っていたとか。

 

(住むには大変だと思いますが)本当に静かで美しい集落です。

 

国内最大の合掌造りの「岩瀬家」にも足を伸ばしてみました。

 

約300年前に、塩硝の取りまとめの役人が、住宅と役宅を兼ねて建てたものだそうです。

半分以上が総檜造りの5階建で、3階以上で蚕を育てていたそうです。

 

家屋の見学のほか、「こきりこ節」など日本最古の民謡の観賞もできます。

当時は民謡を踊るくらいしか楽しみがなかったのではないか・・・という解説の言葉が心に残りました。